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耳に穴を開けて飾りをつけるピアスの歴史は古く、紀元前から古代インダスや古代エジプトまで遡ります。ここ日本においても、縄文時代にピアスの風習が始まったと言われており、イヤリングよりも古い歴史を持っていることが分かります。今でこそピアスはアクセサリーとして広まっていますが、そのルーツは邪悪なものから身を守るため、男女・部族を見分けるための役割を果たしていたのです。

日本では、ピアスは大人になってから楽しむファッションという風潮が強いですが、海外では「魔除け」や「厄払い」として、子どもの時からピアスをつける習慣があります。
もちろん国や文化によって違いはありますが、例えばインドでは、ヒンズー教徒の伝統的な儀式として、生後１年以内または３歳になった女の子にピアスの穴を開けます。ピアス発祥の地とも言われているエジプトでも、生後７日目の赤ちゃんの名付けとともに、ピアスの穴開けをする誕生祝いがあります。
昔は悪魔が病気をもたらすと信じられており、体に開いている穴は魔物が侵入する場所だと考えられていました。そのため、光り輝くピアスを耳や鼻につけ、暗闇に潜む魔物を遠ざけようとしたのです。

女の子が生まれると、「女性の印」としてピアスを装着する国もあります。例えばスペインでは、女の子を出産すると、退院前にピアスの穴を開ける習慣が今も続いています。生まれてすぐにピアスホールを開けるのは、赤ちゃんが大きくなって耳をいじるようになると、感染症になるリスクが高まるという理由からです。このような風習は特に中南米の国で行われているため、赤ちゃんのピアス姿は珍しいものではありません。
また、部族社会のアフリカでは男女で異なる責任があり、小さい頃からそれを意識させるために女の子にピアスを装着させる習慣があります。

国や地域によって様々な意味合いを持つピアス。ネジやクリップタイプのイヤリングが登場し、一時期ピアスをしない時代もありましたが、近年では年齢や性別問わず多くの人々を楽しませるファッションアイテムとして確立しています。

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